SHINOBAZUコラム71
2003.6.23


初の伝記
『池田満寿夫−流転の調書』を読んで

荒井 一章

 

このたび、とてもすばらしい池田満寿夫の伝記が出版された。著書は宮澤壮佳(池田満寿夫美術館館長)。天才アーチスト池田満寿夫の裏方として40年つき合った著者が、現在これ以上目にすることは不可能という位の資料漁りを駆使して、池田満寿夫の人生をすべて書きつくした。いわば、63年間の池田満寿夫のドキュメンタリーともいえる。 非常にすぐれた伝記で、将来ともこれ以上の伝記は出まいと私は思っている。池田満寿夫といえば必ずといっていいほど、女性遍歴が取り上げられるのだが、このことについても、その場面を知る、あるいは立ち会った観察者の目ですべての対象者を均等に登場させ、静かに、やさしい目で池田芸術のパートナーとして描いている。さらにこの本のすばらしい点は、池田の活動した1950年代からの海外、とりわけアメリカの文化情況と日本の現代美術とのかかわりを非常にわかりやすく解説しながら、池田満寿夫のアート・シーンと重ねていることだと思う。美術ばかりでなく、当時の政治、経済、文化のさまざまな流れを取り出して当時の情況を語る著者の博識には驚くばかりだ。この本はアートを志す若者必読の教科書である。私は夢中で読んでしまった。感度の「池田満寿夫 −流転の調書」(宮澤壮佳著、玲風書房刊、2400円・税別)を、この夏一番の読書にお勧めしてはばからない。

(あらいかずあき/画廊主)


★この本は画廊でも販売しています。

『池田満寿夫―流転の調書』
 宮澤壮佳(池田満寿夫美術館館長)・著


〔内容〕 第1部・評伝ノート、第2部・池田満寿夫の「日本」、第3部・終章−私の《感傷旅行》
〔体裁〕 A5版、上製本、336頁、挿図182点
〔価格〕 2,520円(税込)

★ご希望の方には通信販売も行っております。
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書籍代と送料(1冊300円、2冊以上は500円)をあわせ、現金書留にてお送りいただき、送付いたします。

<各新聞でも紹介されました>

「信濃毎日新聞」 2003年6月25日
「朝日新聞・長野版」 2003年7月23日
「日本経済新聞」 2003年8月17日


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