SHINOBAZUコラム89
2004.10.28
長谷川利行展によせて
荒井 一章

長谷川利行「裸婦」油彩 15.7×12cm
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早いもので不忍画廊が開業して45年にもなる。創業は1960年(昭35)上野・池の端、不忍池のほとり、「花や」という名の下町の有名料亭ビルの1階であった。池田満寿夫の最初の銅版画展はここで行われた(1961年・昭36)。今の東京・八重洲の不忍画廊は上野を離れて35年にもなる。私の人生の半分はここで過ぎた。利行展は過去に何度も開催している。時代と共に手にする利行作品も少なくなり、集めることは非常にむづかしい。そして高価でもある。
今回は約20点出品する。私がここ5年ぐらいの間に苦心して集めたもので、古稀をすぎた私にとっては最後の利行展になるかもしれない。それぞれの作品、いずれも小品ではあるが、まさしく真品、利行の生きざまを語るものばかりである。愛着もひとしおである。また画廊制作による小カタログも出版し、楽しめるものをつくった。(価格は1冊\1,500 送料別¥300)
このところ練馬区立美術館の<小熊秀雄と池袋モンパルナス展>、宮城県美術館の<洲之内コレクション展>、愛媛県久万美術館<畑山昇麓コレクション展>など、長谷川利行や靉光、松本竣介、麻生三郎など、この何とも暗い時代の画家達の青春を彩る展覧会があちこちで開かれ、話題をよんだ。若い美術ファンも多くなってきている。
画廊での展覧会は11/1(月)〜11/20(土)まで(日祝休)だが、ぜひとも足を運んでいただきたいと思う。いささか自我自讃になるが、街の小画廊の開く精一杯の長谷川利行展なのだ。
※付記
今回の利行展図録の別冊付録として、池田裕氏の「無名時代の長谷川利行を追って」の研究発表文を添えている。池田氏は脳神経科医師が本業、多忙な診療生活の合い間、もっぱら神田神保町の古書店を渉猟、長谷川利行に関する資料、文献をあつめ、その中から利行の人物像、画家人生をえぐり出す、地道な作業の結果が記されたもので興味ぶかいものとなっている。横浜のせんたあ画廊に集う美術ファンの会誌「絵好」(エコー)に発表されたものを再録させて頂いた。なお池田氏は小生の出身校・長野高校の後輩であることに大変おどろいている。
(あらいかずあき/画廊主)
■関連コラム
「長谷川利行 樹影」/小倉敬一 2004.11.6
「利行忌」/荒井一章 2004.10.13
「私とコレクション10」 / 荒井一章 2002.12.9
「長谷川利行展 描かれた詩」
2004年11月1日(月)−20日(土) 日祝休廊 11時〜18時(土は〜17時) ■会期終了>>詳細ページへ
1960年、上野・池の端に開廊した不忍画廊は来年で45周年を迎えます。1960年代より、「靉光遺作展」「瑛九展」「前田寛治遺作展」を開催し、1990年以降も、「林倭衛展」「松本竣介素描展」「古茂田守介展」など、昭和を代表する個性的な洋画家(近代絵画のアウトサイダー)たちの展覧会を開催して参りました。そして常に美の指針・基準となったのが<リコウ>=長谷川利行です。
今展は、「下町を愛した利行、利行を愛した東介−追悼・長谷川利行展」を開催して以来、およそ12年振りの利行展となります。新たにコレクションした作品と、現所蔵者の方々のご協力により実現可能となりました。21世紀の現代においても多くの美術ファンや現代アーチストたちまで魅了し続ける、利行芸術の魅力の一端をご紹介する機会となれば幸いです。是非、ご高覧下さい。
掌作品集 『長谷川利行描かれた詩』刊行 <一部 \1,500>
■ 20点の利行作品を<絵画詩>に見立てたポケットサイズの作品集/15×15cm/カラー図版40点・48頁
■ テキスト/木村東介、荒井一章ほか
■ 2004年11月1日 不忍画廊刊行/限定500部
■ 作品集収録の秀作7点をポスト・カードに致しました <7枚セット¥500>
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