SHINOBAZUコラム109
2006.6.3

盗作と受賞
荒井 一章

このところ美術界の話題は05年度芸術選奨受賞画家、和田義彦氏(国画会)の盗作疑惑である。美術業界にとって何と情けないことか。連日マスコミに大きく取り上げられ、テレビの格好のネタにされており、日本洋画壇に泥を塗った事件で、どう云っても言い逃れできない。にもかかわらず、ぐずっているのは大変に見苦しい。43年も洋画商をしているが、この画家の絵を見た記憶も取扱った事もない。その作品は「骨太な表現と変化に富む内容は圧巻で・・・(中略)示唆するものは社会の不条理や人々の不安、孤独などの内面の実在である」が受賞理由(朝日新聞・天声人語)とのこと。賞の審査に携わった方々の名前をこの際公表することがマスコミへの注文である。

私の友人の池田満寿夫は1967年(33歳)、芸術選奨を受賞している。1966年のヴェニス・ビエンナーレ展でのグランプリが評価されての受賞である。彼はそれ以前にも数々の受賞歴があるが、この賞はそれほどに立派な賞なのである。池田満寿夫は私に語ったことがある。僕の絵のことをピカソやマチスの真似だという人がいる。けれど僕のように上手に天才的に盗める人はいない・・・と。彼は何でも自分の絵にしてしまう才能を持っていた。

あらいかずあき/画廊主

 


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